土井けいじの徒然なる読書記録。

読書大好き土井けいじが、本を紹介していくブログ。

土井けいじのプランナー向けオススメ漫画 SLAM DUNK

日本バスケ漫画の金字塔「『SLAM DUNK』」

ついに!全世界、全世代から愛される、日本を代表するスポーツ漫画『SLAM DUNK』 の新作劇場版アニメ『THE  FIRST SLAMDUNK』が2022年12月に公開!!

公開が待ち遠しかった!という声も多いのではないだろうか。

 

SLAM DUNKスラムダンク)』(通称・スラダン)は、『週刊少年ジャンプ』にて1990年から1996年にかけて連載された漫画なんだぜ!


作者は「バカボンド」や「リアル」といった人気漫画を数々生み出している井上雄彦先生!

第1巻~23巻の初版発行部数は250万部と当時の最高記録であり、累計発行部数は1億7000万部を超えているんだぜ!

これはスポーツ漫画の中で一番売れているらしい!


ちなみに漫画全体で見てみると、歴代で最も売れている作品は、1位「ワンピース」、2位「ゴルゴ13」、3位「ドラゴンボール」と続く。

 


一応売れ行きについて書いてみたが、漫画において結局一番大切なのは、読んだときに中身がどれだけ面白いか!


そういう観点でいくと、スラムダンクは、井上雄彦を巨匠たらしめている代表作といえるだろう。

スラムダンクは第40回平成6年度小学館漫画賞少年部門を受賞、2006年に文化庁が実施した文化庁メディア芸術祭において「日本のメディア芸術100選」漫画部門1位を記録している。

この作品は、バスケット以外にも通用するような、人生に影響を与える名言が多く描かれており、バスケファンはもちろん、バスケに関わりのない人たちにも幅広く受け入れられている作品なんだぜ!

特に安西監督の名言「諦めたらそこで試合終了だよ」は漫画を読まない世代でも知らない人はいないほどの知名度ではないだろうか。

また、落ちこぼれの不良である主人公、桜木花道が、従来のスポーツ界の風潮、いわば「縦社会」を無視したような行動や言動が読者の笑いを誘うとともに、バスケに対してはひたむきに取り組む姿勢と、それによって得た実力でどんどん活躍していく姿、選手たちの人間的な成長、その姿に涙を流さずにはいられない!そんな漫画であり、今もなお多くのファンを魅了している。

作中には実際の湘南エリアにある風景や学校が登場しており、伏線考察や関連本が多数出版されるなど、コアなファンもかなり多く存在しているとか。


連載終盤になるにつれ井上雄彦先生の画力が凄まじく向上しており、作画の面でも目を見張るものがあります。特にセリフを削って、キャラクターの動きだけで話を成立させている最終話はファンからも人気があるんだぜ!

スラムダンクを読んでバスケ部に入ったぞ!という方もいるのではないだろうか。


今回は原作漫画のストーリー、簡単に振り返っていくぜ!

あの名シーン・名台詞を思い出し熱くなるのもよし、映画を見に行く前に内容を予想して楽しむもよし!

あくまで「土井けいじから見た」という前提で、この作品について語っていきます。

※本記事にはネタバレが含まれています。

 

「天才バスケットマン、誕生」

 

中学3年間で50人の女子にフラれ続けた主人公、桜木花道は赤い髪をリーゼントにした筋金入りの不良少年。

同じ中学の悪友たちと共に県立湘北高校へ入学する。

最後に桜木をフッた女の子の断り文句が「バスケ部の小田君が好きなの」だったため、桜木は「バスケ」と聞くだけで苛立ってしまう。

そんな中、長身の桜木を見て「バスケは好きですか?」と誘ったのは、同級生の赤木晴子だった!

桜木は晴子を見て一目惚れしてしまい、すぐにバスケ部へ入部を決めるのだった。

ところがある日、晴子の片思いの相手・流川が上級生に絡まれているところに乱入した桜木を見て、晴子は「桜木が流川を殴った」と勘違いしてしまう。

桜木は晴子にこっぴどく振られ、自暴自棄になりバスケ部やバスケットをバカにするのだった。

それを黙っていなかったのがバスケ部キャプテン、赤木(晴子の兄)。

晴子の兄とは知らずに喧嘩をうってくる桜木に対し赤木は、「お前のバカにしているバスケで勝負して勝ったら認めてやる」と1:1の勝負を持ちかけた。

桜木よりも背が高く体格も良い、経験者の赤木に全く歯が立たない桜木だったが、持ち前の運動神経の良さを発揮しボールを奪うことに成功する。

ルールを無視してドリブルさえしない桜木だが、赤木のディフェンスを飛び越え、スラムダンク(バスケットのゴールに叩き込むようなダンク)を打ち込み、見事赤木との勝負に勝ったのだった。

勝負の後、晴子は桜木への誤解を謝罪し、赤木は自分の兄であることを桜木に伝える。

桜木は態度を一変させバスケ部入部を頼み込みますが、桜木のハチャメチャな行動や粗暴さ、不良のような見た目に赤木は入部を拒否する。

しかし桜木は、毎日のようにこっそり体育館を掃除したりボールを磨いたり、そんな地道な努力とアピールが奏功し、なんとか赤木に入部の許可をもらうことができたんだ。

赤木に勝ったという評判はあっという間に学内に広まり、桜木は自ら「天才バスケットマン」と名乗り自信過剰なまま入部をする。

 

ところが入部して待っていたのは体育館の隅でひたすらドリブル等、基礎練習の日々だった。

また、同じ1年で入部した流川楓は「スーパールーキー」と言われ、晴子の片思いの相手でもあることから桜木は並々ならぬライバル心を燃やす。

そんな中、湘北バスケ部の安西監督は、県内トップ4である陵南高校との練習試合を取り付けたんだ。

初めての試合にやる気満々で、勝利を確信する桜木でしたが当然スタメンには入れず、安西監督に食って掛かりますが「君は秘密兵器です」との言葉にすっかり丸め込まれ、ベンチスタートのまま試合に臨んだ。

対する陵南高校はキャプテン魚住、天才プレーヤー仙道など強力なメンバーたちが出迎え、湘北は苦戦を強いられていた。

そんな中、赤木の負傷により投入された桜木は常識を無視したプレイ(場外へ飛んだボールを追いかけ監督席へ突っ込む等)で陵南高校監督・田岡の度肝を抜いた。

また桜木は、壁のように相手をブロックする「ふんふんディフェンス」「意表をついたパス回し(ライバル心から流川にパスを回さない)」「力強いリバウンド」により試合の流れを変えていく。

桜木、流川、そして試合に戻った赤木らにより逆転した湘北ですが、気を抜いたラスト5秒で仙道にシュートを許してしまい再逆転され、敗北してしまうのだった。

 

「湘北バスケ部襲撃事件…元バスケ部員三井の復讐」

 

陵南との練習試合に敗北した湘北バスケ部メンバーだったが、気持ちを切り替えて再び全国制覇に向けて練習を再開し始める。

そんな中、バスケ部メンバーである2年の宮城が学校にやってきたのだった。

宮城は3年の不良グループから目をつけられ、暴力事件を起こし入院していたのだ。

同じように入院していた不良グループのリーダー三井も退院しており、久々に登校してきた宮城を囲い込んで再び因縁をつける。

全国制覇を目指すバスケ部の足を引っ張りたくない宮城は三井たちを相手にしないように手を出さずにいた。

そこへ片思いの相手であるバスケ部マネージャー彩子と桜木が肩を並べて歩いてやって来て、宮城は三井そっちのけで桜木に殴りかかってしまった。

結果的に桜木と宮城の喧嘩に巻き込まれた三井は再び宮城とバスケ部への復讐心に火がついてしまうのだった。

復讐心に燃えた三井は、不良仲間の堀田たちに加え、校外の仲間・鉄雄、竜たちを引きつれてバスケ部の練習している体育館へ乗り込む。

課外授業のため不在だった赤木を除く他の部員たちは次々に暴行を受け倒れていく。

反撃してしまえば暴力事件として県大会出場停止になりかねない事態に、最初はただひたすら耐えて拳を受けていた宮城でしたが、桜木と流川の反撃やマネージャー彩子が殴られたことを皮切りに一気に反撃を始めていく。

しかし、校外から来た鉄雄は特に腕っ節が強く、殆どの部員に立てないほどの傷を負わせるのだった。

腕の立つ部員は桜木のみとなった絶体絶命の瞬間、桜木の不良仲間である「桜木軍団(水戸、野間、高宮、大楠)」らが助太刀に現れる。

桜木軍団の助けにより形勢が一気に逆転したのにもかかわらず、三井は「バスケ部をぶっ潰してやる」と諦めないのだった。

実は三井は赤木、木暮らと同級生のバスケ部員だったのだ。

三井は入学当時、中学MVPプレーヤーとしてバスケ部に入部した。

ところが長身のパワープレイヤー赤木に話題を持っていかれ、加えて膝を故障してしまい、それがきっかけで敗北感・疎外感を感じバスケ部から遠のいてしまったのだ。

課外授業から戻った赤木や木暮を前に最後の抵抗をする三井でしたが、恩師である監督安西の登場により、「バスケがしたいです」と本心を告白したんだぜ!

桜木軍団と堀田たちは、暴力事件は自分たちが起こした、と罪をかぶり、バスケ部は出場停止の危機を免れたのだ。

 

「神奈川県大会、始まる…シード校・翔陽との戦い」

 

いよいよ神奈川県大会が始まる。

三井は心を入れ替えてバスケ部に復帰した。

初心者だった桜木は、陵南との練習試合においてリバウンドの才能を発揮させ、インサイドの要であるパワーフォワードとしてスタメン入り。こうしてセンター・赤木、シューティングガード・三井、ポイントガード・宮城、スモールフォワード・流川、パワーフォワード・桜木と、5ポジション全てに才能を兼ね備えた逸材が揃い、湘北ベストメンバーが結成された。

初戦・三浦台戦を突破し、順調に勝ち進んでいった湘北は、遂にBブロックのシード校・翔陽との試合に入る。

試合序盤、センター・花形を中心に殆どのメンバーが190cm台という長身揃いの翔陽に湘北は制空権を取られてしまう。

動きが硬くなる湘北メンバーたちの中で、流川はワンマンプレーで1ゴール先取する。流川の「全員動きが硬くてパスが出せねぇ」の一言で湘北の空気は一気に変わり、持ち前の良さを発揮し始める。

特に桜木のリバウンド、宮城の素早いパス回し、三井のスリーポイントシュートにより湘北は遂に逆転する。

その瞬間、それまで翔陽ベンチに控えていた選手兼監督の主将・藤真がコートに立つ。

県内で1,2を争うスーパープレイヤー・藤真の登場により再び試合の流れは翔陽に傾きかけた。

しかしそこから、三井のスリーポイントが連続で決まる。

体力の限界を迎えつつも自分が今までバスケ部に迷惑をかけた分、償って返したいという思いが三井を突き動かします。

一方、強引なディフェンスで4ファウル目を取られた桜木は、5ファウル退場を恐れいい動きができなくなってしまいます。

萎縮する桜木の「穴」を狙われ再び翔陽にペースを奪われるが、流川の挑発に乗せられた桜木は、再び持ち前の大胆さを取り戻す。

流川のプレイにより湘北が2点リードしていた終了間際、桜木は花形の上から強引にダンクを決める。

このダンクはファウルとなり得点にはならず桜木は退場となったが、桜木はその日一番の歓声を浴びることになったんだ!

体力が尽きた三井と桜木が抜けた後も湘北メンバーは2点差を死守し、湘北が勝利を収める。

神奈川県大会決勝リーグ・初戦、湘北の相手は「常勝」を掲げる王者・海南大附属高校

海南は過去16年間連続でインターハイ出場を決めている名門校で、それが王者と呼ばれる所以でもある。

序盤戦、気合の入った湘北はゴール下の赤木、桜木のリバウンド、宮城らによる素早いパス回しでスピード感のあるオフェンスを展開しますが、海南もそれに追いつくほどの戻りや攻めを見せ、王者と呼ばれるにふさわしいプレイを見せ付ける。

そんな中、最初にゴールを決めたのは海南の1年・清田だった。

清田は1年にして海南のスタメンを勝ち取った実力者だが、非常に自信過剰で挑発的な発言が多く、試合前から桜木と小競り合いをしてしまう。

ところが桜木は宮城直伝のフェイクにより清田を出し抜いたり、主将の牧を自らマークにつかせるなど、海南のペースを乱していくのだった。

前半終了に近づく頃、赤木が負傷し、医務室に運ばれてしまう。赤木不在により不安定になりかけた湘北ですが、桜木・流川が二人でゴール下を守り赤木の穴を埋める。

さらに流川は、開いてしまった点差を前半戦終了までに同点にしてしまう驚異の得点力を見せつける。

一方、足首がはれ上がり立つこともままならない赤木だったが、マネージャー・彩子にテーピングでの固定を指示、痛みをこらえ後半戦に復帰するのだった。

続く後半戦、怪我をした赤木が湘北の「穴」だと攻める海南でしたが、赤木は怪我をしているとは思えないほどのパフォーマンスを見せる。

一方、海南主将の牧は一気に本気を出し始め、湘北のディフェンスに切り込んでゴールを決めていく。そんな牧に食らいつく湘北でしたが、内側を攻める牧をマークすればするほど、牧は外にいる3ポイントシューターの神にパスを回すのだ。

神は、外から異様な成功率で3ポイントシュートを決め続ける。

こうして、内側から牧、外側から神のオフェンスを受け、両者の点差は一気に開いていく。

そこで安西監督は、ゴール下に赤木・三井・宮城・流川の4人を配置して牧を封じ込め、神に桜木をマンツーマンでつかせる捨て身の作戦に出る。

神はスキルのある選手でしたが桜木の運動能力が上回り、神のシュートの勢いは止まってしまう。

残り1分30秒を切り4点差、ゴール下で宮城からボールをもらった桜木がフェイクによりセンター・高砂のディフェンスを突破、更に牧のディフェンスも突破しダンクを決め点差は2点に縮まるんだ。

ラスト10秒を切り、逆転をかけた三井の3ポイントシュートが外れ、それをリバウンドで取った桜木は、ゴール下の赤木に回し同点を狙ってとパスを出しますが、なんとその相手は敵チームの高砂だった。

痛恨のパスミスにより点差を埋めるチャンスは絶たれ、試合は2点差で海南の勝利で終了するのだった。

 

原作はここで終了となる。

 

ここまであらすじを簡単に振り返ってきた。

少年ジャンプに掲載されている漫画のように特訓により急成長してとんでもないパワーアップをしたり、超人じみた必殺技を繰り出したりするわけではなく、花道はコツコツ地道に努力を重ねて、スポーツマンとしても一人の人間としても成長していくのである。

誰にも手が付けられなかった不良少年の花道が試合中に「オレにできることをやるよ!!」というセリフを言うシーンがある。スポーツを通して人として成長していく花道の姿に感情移入してしまいすっかり花道の虜になってしまった、土井けいじでした。