土井けいじの徒然なる読書記録。

読書大好き土井けいじが、本を紹介していくブログ。

土井けいじ コロナウイルの影響による人々の価値観の変化

こんにちは。花粉症でくしゃみが止まらない土井けいじです。


個人的に今年は花粉症の症状が軽いなと感じていました。

在宅ワークで外に出る機会が減り、物理的に花粉に触れる機会が減り、加えてマスクが花粉から守ってくれてたのかなと思います。


マスクの着用について政府が3月13日から屋内・屋外を問わず個人の判断に委ねる方針を決定しましたね!

ついに!!と身が軽くなった思いでしたが、花粉症の方は変わらず花粉という敵と戦う為にマスク生活が続くかもしれませんね。

 

そこで今回は「コロナウイルスの影響による人々の価値観の変化」について書こうと思います。


新型コロナウイルスによるパンデミックは、世界の消費者の価値観・目的意識を劇的に変化させました。アクセンチュアが世界22カ国、約2万5,000人の消費者を対象に実施したアンケート調査によると、パンデミックを機に自らの目的意識・価値観を見直し、人生で何が重要かを考え直したと回答した消費者 が50%を上回ったそうです。


この「消費者の価値観のパラダイムシフト」に伴い、消費者の購買意思決定における価値観も大きく変化しました。これまでは価格・品質を重視して購買の意思決定がされていましたが、それ以上に ①健康と安全、②パーソナルケア、③簡便性と利便性、④製品製造の背景、⑤信頼と評判という5つの新たな価値観が、消費者の購買意思決定に大きな影響を及ぼし始めていると言われています。


また、消費だけでなく、労働においても価値観の変化がみられるようです。


過去20年にわたる就業価値観の変化を見ると、会社の発展や出世に尽くすよりも、ワークライフバランスを大切にする価値観が強くなってきており、さらに、副業を大切にする価値観も強まっているようにみえます。


こうした昔からの動きに加え、ここ数年のコロナ禍で正社員・大企業を中心に進展したテレワークも、価値観に大きな影響を与えているようです。


現在では、就労者全体の22%もの方がテレワークをしているそうです。

また、テレワークの実施率と実施者あたり平均日数は、管理職・事務職・専門職で高く、正社員や従業員規模の大きい会社ほど高い傾向にあります。


そして、テレワークを実施した人は、会社への貢献意識や余剰時間を活用した資格取得、副業への意向が高く、就業への満足度が高いこともわかっています。

 

 


実物を確認しないインターネットショッピングが増加


コロナ禍において、人付き合いについての価値観も変わりました。

人との付き合いは大きく減少し、自宅でひとりで楽しみたいという価値観の方が増えました。

手の込んだ料理を作って食事を楽しむ人が増え、デジタル機器を利用した「デジタルレジャー」は、有料動画配信やスマホアプリが充実したこともあり、増加しています。

一方で、外食・グルメ、映画、カラオケ等の「街レジャー」については、外出自粛の影響を受け減少しました。


買い物に対する価値観も大きく変わっています。

ネットショッピングの利用者はどの年代でも拡大し、特に30代および40代以上の中高年層で大きく伸びました。「実際の店舗には行かず、ネットだけで商品を買うことがある」人の割合は、ほぼ半数に達しているとのことです。

また、テレワーク等によるオフィス街人口の減少等の背景から、コンビニの利用頻度は減少し、食品スーパーにおいても感染リスクの面から、利用頻度を抑えたまとめ買いが増える傾向になっています。総合ショッピングセンター、モール、百貨店・デパートの利用についても大きく減少しています。

 

コロナ禍において変わったこと 企業が大事にする価値観


企業が求める人材についても価値観が変わりました。


・社会や環境の変化に対しての柔軟性や適応力がある人材なのか。

・未曽有の事態に対して何を考え、行動してきた、していくのか

・社会的に大きな影響や変化について、能動的に考えられているのか。

・現状を捉える力、それに応じて自分で考え行動する力があるのか。

・コロナの状況を自分がどう捉え、何を感じたのか。

 行動の変化だけでなく、考え方やスタンスが変化しているか。

・仕事でも予期せぬことは起こり得る。その時に状況認識力、意思決定力があるのか。

 目の前の現実に打ちひしがれることなく、自分で考え、行動しているのか。


コロナが流行ったからというわけではありませんが、よりこれらの価値観が大事にされる時代になりました。


テレワークと生産性。改めて見直される職場に対する価値観


職場についての価値観も大きく変わりました。 

例えば、海外の研究によれば、テレワークは週2日程度が最も効率的で、生産性が上がるというデータが出ています。週1日の場合は準備に手間を取られるだけで、ストレス低減や意欲向上、ワークライフバランスの実現などテレワークならではのメリットを引き出すまでに至りません。また、週3日以上になると会社や同僚との関係性が希薄となり、社員の孤独化や生産性低下につながります。そもそも、ワークライフバランスによって生産性が高まるのは、「仕事ができる人」であることが前提です。人によってはメリハリをつけることができず、むしろ生産性の低下につながってしまうこともあると考えます。


 また、オフィスが「不要だ」「縮小すべきだ」という価値観も強くなってきていますが、その前に「オフィスの役割」にも目を向ける必要があるのではないかと考えます。

立教大学中原淳教授の著書『経営学習論』をもとにすると、オフィスには仕事をする以外に少なくとも四つの役割があると記載されています。


 一つ目は「学習機会」です。

OJTなどをはじめ、実務を通じてさまざまな学習機会を得ることができ、自然に学ぶことが可能です。


 二つ目は「支援の場」です。

1人でできないことを、同僚・先輩・上司の支援を受けることで、徐々にできるようになります。

支援者から仕事の在り方を客観的に振り返る「内省支援」を受けることで、能力向上につながることが分かっています。


 三つ目は「ソーシャルキャピタル社会関係資本)」です。

これは人のつながりを一つの資本とみなし、協調行動が会社などのコミュニティーの効率性を高めるという考え方で、信頼関係や互酬性(助け合い)規範などがこれに当たります。

例えば、残業中の上司との雑談は一見無駄に思えますが、上司と部下との関係構築の時間と捉えれば、決して無駄な時間ではありません。信頼関係が構築されている職場では、成功体験だけでなく失敗談も共有できるようになるため、お互いの能力向上につながると言われています。また、後輩が先輩の影響を受けやすいので、会社の価値観をしみ込ませることも可能です。


そして、四つ目が「成長の場」です。

「革新的な職場が人を育てる」とあり、職場での新たなチャレンジと人を育てることは、相互に関連しています。挑戦は発達の可能性を掘り起こすだけでなく、同僚・先輩・上司などからの支援を生じさせます。支援を受けながら内省し、気付きを得て、能力の向上が期待できます。


 テレワークなどヴァーチャルによる必要最低限のコミュニケーションだけでは、これらの役割を果たすことは難しく、人材育成において支障が生じてくることは明らかです。従業員の出社が半減するから、面積も半分...といった短絡的な発想ではなく、使い方に応じて必要なスペースを過不足なく確保し、どのように四つの役割を果たすオフィスをつくっていくのかが、これからの時代における働く環境づくりのヒントにつながるのではないでしょうか。

 

コロナ禍で変わる、広がる、雇用スタイルと働き方の価値観


 コロナ禍を機に、企業の雇用スタイルにも変化が起きつつあります。

中でもテレワークの普及で注目が集まったのが、欧米で一般的な「ジョブ型雇用」です。

仕事の範囲を明確にすることで「より専門性を高める」雇用スタイルです。労働時間でなく職務や役割で評価を行い、職務内容を基準として報酬が支払われ、基本的に配置転換や転勤はありません。自立したスキルアップやセルフマネジメントが前提とされているため、リモートワークに適合しており、優秀な人材確保の観点からも導入を進める企業が増えています。ただし、何らかの事情でその職務が不要になった場合、すぐに解雇されるなど柔軟な雇用調整ができないといった問題が生じます。

また、定期的な異動や昇進がないため、自分の価値観次第では、一生同じポスト、同じ給与で同じ仕事をすることになります。


 一方で、私たちになじみのある日本型の雇用スタイルが「メンバーシップ型雇用」です。労働時間や勤務地、職務内容を限定しない「総合職採用」と言えば、イメージしていただきやすいでしょうか。「メンバーシップ型雇用」には、総合職・一般職・専門職採用で分けられている企業もありますが、一般的な日本型の雇用スタイルの多くは採用後にジョブローテーションを行い、さまざまな職務を経験します。

会社側でキャリアの道筋を用意し、将来を担う人材として育てていく、という価値観に則った雇用です。終身雇用、年功序列を背景にしている制度であるため、会社への帰属意識は高くなるものの、専門職の人材が育ちにくいといったデメリットも指摘されています。


 「ジョブ型雇用」で求められているのはスペシャリストです。「メンバーシップ型雇用」では将来のゼネラリストとして育成していく点が大きな違いになります。もちろん、どちらの雇用スタイルにも利点があり、どちらが優れているということではありません。

また、ここ数年でみれば、兼業や副業などを促す機運が高まり、フリーランスという働き方がこれまで以上に注目されています。しかし、こうした流れにも注意が必要で、極端な話、今後は一部の管理職以外は雇用せず、すべて専門性の高いフリーランスで構成された会社組織が誕生する可能性すらあると予想されています。日本型雇用がすぐになくなるわけではありませんが、今まで以上に一人一人が、自身の働き方、キャリアをどう選択し、形成していくのか、どんな価値観をもって生きていくのかが問われる時代になるのではないでしょうか。

 

変化し続ける世の中に対応できる力を手に入れるには


 世の中の変化をふまえ、これから社会で働く方、キャリアを築いていく方には、自身が「世の中に提供できる価値は何か」「どんなことで社会に貢献したいのか」を常に意識し、将来について主体的に考えていく必要があると思います。

 アメリカの心理学者、エドガー・シャインは、キャリアを決定する上で、自分自身の「キャリア・アンカー」の理解を提唱しています。「キャリア・アンカー」とは、生きていく上で最も重要な「価値観」やよりどころのことを言います。キャリア・アンカーは八つに分類され、一度形成されると生涯にわたり職業上の重要な意思決定に影響を与えると言われています。社会人経験がない人、少ない人は認識しにくく、自身のキャリア・アンカーを自覚するには最低でも3年以上の職務経験が必要だとされています。


では、キャリア・アンカーを見つけるには、どうしたらいいのでしょうか?

 大切なのは、主体性を持ってさまざまな経験を積むことです。

土井けいじはたくさんの経験を積む中で、最初は大きくブレていた自分の軸・根幹をなす価値観がだんだんと定まってきました。

アメリカの教育心理学者、ジョン・D・クランボルツが提唱した「計画的偶発性理論」によれば、個人のキャリアの約8割は予想しない偶発的なことによって決定されるとも言われています。今の価値観だけにとらわれるのではなく、会社や上司から与えられた業務をはじめ、偶然与えられる機会に、まずはチャレンジしてみる。行動して、失敗して、トライ&エラーの繰り返しの中で、ブレない価値観が見えてくるはずです。そして、そのように何事にもチャレンジし続ける姿勢こそが、変化し続ける世の中で生き残れる力につながっていくのではないでしょうか。

 

このように、コロナウイルスの影響による人々の価値観の変化がたくさん見えました。

しかし、どのような外的要因が襲い掛かろうと、自分の軸・価値観を持って生きていくことに変わりはありません。

自分の軸・価値観があれば、災害や感染症、周りの環境が変わろうと、自分の頭で考え、変化に対応出来る人になるのではないでしょうか。

土井けいじは、これからも多種多様な価値観に触れ、自分が大事にする価値観に磨きをかけ、より自分自身の信念を持って生きていきます。