土井けいじの徒然なる読書記録。

読書大好き土井けいじが、本を紹介していくブログ。

出会いの季節から学んだ価値観

皆さん、こんにちは。

土井けいじです。

 

このところすっかり暖かくなってきたなと思ったら、もう4月も終わりに差し掛かってきています。

 

毎年感じることですが、4月は出会いの季節ということもあり、1年の中でも特に過ぎ去るのを速く感じる月だなと思います。

 

特に今年は、綺麗に咲き誇った桜が、雨の影響もあってあっという間に散ってしまったので、いつにも増して早く感じました。

 

僕は今年も、数えるほどしか桜に目をやることができずに終わってしまいました。

 

もう少し長い間、桜を楽しめるようになったらいいのに。そんな風に思いはするのですが、桜が花として咲くまでには1年もかかるのに、花になってからは、一瞬にして散ってしまう、というのが現状です。

 

そんな現状を考えると、なんだかとても儚く、でも美しく感じてしまうのは、日本人特有の価値観なのでしょう。

 

海外では文化としてさほど根付いていない「花見」が日本に定着しているのには、この価値観が影響しているんだろうなと感じます。

 

■出会いの季節ならでは?本から学んだ価値観の違い

春は出会いの季節。それは、人と人との出会いに限らず、本や新たな価値観の出会いも同様です。

 

新たな人に出会うということは、それだけ新しい価値観に出会うことも増えるということであり、心機一転、何かを学ぼうという思いで、新しい本に触れ、そこで新たな価値観に出会うことも多くなるでしょう。

 

かくいう僕も最近読んだ本で、中国と日本の価値観の違いについて学んだことがあったので、そのことについて書いてみたいと思います。

 

その違いとは「真似る」ということに対する価値観。

 

日本は中国の影響を受けていると、歴史の授業で習ったので、価値観も似通っているのかなと思ったら、随分違っていたので驚きでした。

 

■「真似る」に消極的な日本

まず日本は、「真似る」ということに対して消極的です。

 

学生時代の授業を思い出してみると、思い当たる節があると思うのですが、例えば、作文の授業では、「真似したものではダメ」「自分の言葉で書きましょう」などと言われ、美術の授業では、既にある作品を真似るのではなく、書くための素材探しから、全部オリジナルでやることの方が評価されます。

 

このように、日本では「真似る=悪、評価が低い」というイメージがあります。

 

■「真似る」に積極的な中国

一方、中国はまるで正反対で、よいものは即座に、とことんパクります。

日本をはじめとした世界各国の作品やキャラクターなどに瓜二つのものが中国に登場して、世間の話題をさらっていく、というのは、何度か目にしたことがある光景です。

 

そしてそうした光景を目にした日本人は、「中国はけしからん国だ」と、憤ります。

 

でも、果たして本当に、中国は悪意があって真似をしているんでしょうか?

そもそも、ここまで「真似る」ということに対する価値観・スタンスが違うのはなぜ何でしょうか?

 

■価値観の違いを生んだのは「本物」に対する考え方

日本と中国の価値観の違いを生んだもの、それは「本物」というものに対する考え方です。

日本においては「本物=先駆け」という認識で、物事を成し遂げたのが「一番かどうか」重要になりますが、中国にとっては、「本物=市場で生き残ったもの」という認識であり、順番は全く問題になりません。

 

だから、中国では、既に市場で人気を博したものを使って、より市場で売れるようにしてやろう、と考えることは、ごく自然なことなんです。

 

この前提を知っていれば、日本人が中国人に対して腹を立てることも減るのではないでしょうか。

 

■価値観の違いは恐ろしい。でも日本人は克服できるはず!

このように、価値観が違えば、同じ出来事に対する見方や印象ががらっと変わります。だからこそ、価値観を共有したり、共有できなかったときに相互に理解し、尊重することが重要なのだと感じます。

 

しかし、そうは言っても、「価値観の共有」「価値観の尊重」というのは、なかなか簡単にできることではありません。

 

だからこそ、

「なんか価値観が違うと思い仕事を辞めた」

「恋人と価値観が合わず別れた」

「友達と価値観が合わない」

 

ということが起こるわけです。

 

でも、「桜」という日本文化の下で、ディズニーのキャラクターが描かれた道具を使い、ビールという、ヨーロッパ発祥のお酒を飲んでいる、多文化を受け容れられる日本人であれば、相手の価値観を受入れ、尊重することだってできるのではないかと思います。